
JAPAN PHOTO AWARDの出版レーベル”INTUITION”が手がける377975㎢ Vol.2の出版記念展をMIDORI.so BAKUROYOKOYAMAにて8月3日〜15日まで開催いたします。
377975㎢ とは、日本の国土面積を意味し、そこに生活し創造し続けるアーティストの作品を定点観測的に収集していくプロジェクトです。今回出版されるVol.2ではJapan Photo Award Vol.9 (2021)にてCharlotte Cotton 賞(キュレーター / ライター), Xiaopeng Yuan 賞(写真家 / Samepaper 編集長)を受賞した藤井智也を特集。その他にも過去アワード受賞者含め、80名を超えるアーティストの作品を掲載、展示いたします。
掲載作家
藤井 智也
中村 健太
大野 真人
System of culture
川谷 光平
秦 裕典
此谷内 遥介
and more...
377975㎢ Vol.2 Exhibition
日時:3-15 AUG.2022 12:00-18:00
レセプション:18:00-20:00 / 6 AUG
住所:東京都中央区日本橋横山町5−13
入場無料
377975㎢ Vol.2 (書籍)
2022年8月3日発売
2000円+税
100ページ
ISBN978-4-9912185-3-8
発売元 Countach Inc.
Until the time to prepare own coffin
Tomoya Fujii
藤井智也は、イメージ、物質、記憶との関係性を起点に、制作過程で様々なマテリアルを通過させることで、再構築を行い、写真を生成して
いる作家です。ここ数年は、イメージとしての支持体をどう作るか、それらにどう介入するかという事を念頭に置き制作を行っています。印
画紙といった従来の真っ白な平面だけではなく、布、段ボール、廃材、建築資材などを使用し、イメージが物質と物質を往還しながら変成し
ていく過程が、作品制作の中での重要な軸として機能しています。2021 年 JAPAN PHOTO AWARD シャーロット・コットン( キュレーター /
ライター) 賞、シャオペン・ユアン( 写真家・Samepaper 編集長) 賞を受賞し、近年注目を集める中、作家自身東京での初個展となる本展では、
新作の写真、彫刻作品を発表いたします。是非ご高覧ください。
Statement
私は一都市生活者として、フラットなスクリーンを有したデバイスを使用し、質量のないデータを扱い生活をしている。あらゆる情報がデジ
タル、クラウド化される現代において、データ( イメージ) は劣化しない前提として安全に取り扱われる。私がイメージとして情報をストッ
クし始め、たかだか十数年程だが、忘れたころに何かのきっかけで過去にストックしたイメージに遭遇することがある。私自身は歳月を得て、
多少なりとも歳を重ねているにも関わらず、そのイメージは全くその時のままなのである。それはある意味"ヴァンパイヤ" のような存在と
も言える。特定の環境下において、電力とデバイス( 血と肉体) が供給され続ければ、永遠に歳を取らない( 劣化しない) ということである。
それらイメージの大半は、この先人間よりもはるかに長生きをするだろうし、複製され、オンライン上で増殖し続けるであろう。
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』で主人公のルイは、人間からヴァンパイアになったにも関わらず、人の良心を捨てきれず他人
の命( 血) を奪うことへの葛藤、また永遠に生きること自体に空虚さを感じ、死にたがっているようにみえた。人間の化身として仮にデータ
が永遠の命を得れるとして、果たしてデータはそれを望んでいるのであろうか。死にたくても、死にきれないだけではないのだろうか。
今作では、クラウド化されているイメージを紙へとプリントし、架空の舞台を建設する。その空間の中に現代に生きる人間を介入させ、
観察し、記録する。それらイメージを石板に模して制作されたレリーフに憑依させ、有機的な” イメージレリーフ” へと変質させる。オンライ
ン上に離散するイメージに即席の棺と墓場を与え、ある1 つの終結へと導く。
Biography
藤井智也
1984 年 香川県生まれ。ヘリット・リートフェルト・アカデミー 写真科中退。
イメージ、物質、記憶との関係性を起点に、制作過程で様々なマテリアルを通過させることで、再構築を行い、写真を生成している。主な
展示として「NEW VISIONS #03」 (G/P gallery Shinonome)、眼閃 もしくはその因子 (Basement GINZA)、KYOTOGRAPHIE KG+ 2021 特別展
「JAPAN PHOTO AWARD + INTUITION」、Syndicate 展 (Syndicate) など。2021 年より、香川県高松市にてギャラリーSyndicate を運営。
2021 年 JAPAN PHOTO AWARD Charlotte Cotton 賞(キュレーター / ライター), Xiaopeng Yuan 賞(写真家 / Samepaper 編集長)
2017 年 TOKYO FRONTLINE PHOTOAWARD ファイナリスト
2016 年 TOKYO FRONTLINE PHOTOAWARD ファイナリスト
2016 年 Unseen Dummy Award ショートリスト
協賛 MIDORI.so
企画 JAPAN PHOTO AWARD