2014

守田 衣利

 

-Close Your Eyes, Make A Wish.-

 

 

Concept

子どもとは圧倒的なパワーで周りを巻き込むものであるらしい。夫と私を、長年住んだニューヨークからマウイ島、東京、熊本、上海、サンタモニカと彷徨させ、南カリフォルニアの海辺の街にたどり着かせたのは、他の誰でもない娘である。この作品はその長い旅の間に、出会った人たち、家族や友人、そして私たち自身の記憶の断片を集めている。
その後、一度の流産と一度の死産を経験した。非日常はどこか遠くの別世界にあるものではなくて、日常と地続きなんだと知った。
幼い頃、仏壇の前で熱心に手を合わせる祖母に聞いた、何をお願いしてるのかと。家族が毎日元気で暮らしていけますようにと、祖母は答えた。私は祈りの言葉を持たないけれど、そのかわりにシャッターを切る。

 

Profile

1970年 熊本県生まれ1993年 フェリス女学院大学文学部英米文学科 卒業

1997年 International Center of Photography/ICP 米国ニューヨーク州 ジェネラルスタディース科修了

 

Solo Show

2015年『Close your eyes, make a wish.』銀座ニコンサロン 東京都

 

Group Exhibition

2014年 『原点を、永遠に。』東京都写真美術館 東京都

2011年 『ワールドワイド@ヤングポートフォリオ』清里フォトアートミュージアム 山梨県

2005年 『ウォーター』The Center for Contemporary Art Santa Fe 米国ニューメキシコ州

2004年 『In This Place』Art In General 米国ニューヨーク州

2003年 『Futuring Power 写真新世紀十周年記念展』東京都写真美術館 東京都

2000年 『Self in Situation』Museum of Youth ロシア連邦エカテリンブルク

1998年 『第十八回写真新世紀展』P3ギャラリー 東京都

他多数。

 

Prize

2015年 『第6回JGSアーティストアワード』大賞受賞 米国ニューヨーク州

2004年 『新風舎平間至写真賞』大賞受賞 新風舎主催 東京都

1998年 『第七回写真新世紀』優秀賞受賞(ホンマタカシ選) キャノン主催 東京都 

他多数。

 

Photo Book 

2005年『ホームドラマ』新風舎刊

 

Home Page

www.erimorita.com 

 

Comment

Coming soon...

 

石井孝之(タカ・イシイギャラリー)

一之瀬 ちひろ

 

-KITSILANO-

 

 

Concept

KITSILANOというタイトルはバンクーバーに実在する街の名前です。KITSILANOという言葉の響きからはそれがどんな意味なのか想像しにくいので、この言葉を気に入りタイトルにしました。私は当初バンクーバーで撮った写真をまとめて一つの作品を作ろうと考えていました。でもそのプランはうまく行きませんでした。そこで次に、バンクーバーとは直接の関係がない写真を加え、このシリーズをだいたい2年くらいの間、作っていました。私にとってこの作品のテーマは、写真について考えたりしながら毎日の生活を過ごしていくことについて、です。私にとって写真は事実を記録しアーカイブするという機能よりも、思うこと、感じること、記憶、に結びついた機能の方が強度があります。自分の目の前に写真という紙があるということに、気持ちを促したい、という思いから作品を作りました。

 

 

Profile

1975東京生まれ

国際基督教大学大学院教養学部比較文化学科修士1年在学中

 

 

Solo Show

2012年 「KITSILANO」(ニコンサロン・銀座)

2009年 「ドイツの小さな手仕事」(2009年 ギャラリーfeve・吉祥寺)

2006年 「ON THE HORIZON」(イレブン・西荻)

2003年 「Oxygen」(ギャラリーコンシール・銀座)

2000年 「sunrise party at secret place」(コニカギャラリー・新宿)

 

 

Home Page

www.freaksphotos.com/chihiroichinose/

 

 

Comment

日々の暮らしの中に現れる美しい光景、人とのやりとり、去来するさまざまな思い、流れて行く時間……人生は、儚く逃げていってしまう瞬間の積み重ねで構成されている。そうした言葉にしづらい記憶の断片を、まるで花や昆虫を標本するように写真でピンナップしていく。そのやり方はけっして器用なものではないけれど、詩人が言葉を選ぶように慎重かつ丁寧で真摯。リリカルな作品に対象に対する畏れと賛美に満ちた視線が貫かれていて、心地よい。

 

太田 睦子 (IMAエディトリアルディレクター)

矢野 信夫

 

-証拠の追跡-

 

 

Concept

証拠を探して集め続ける。・・が、何の証拠?その意味を求めて証拠を探して集め続ける。

 

 

Profile

東京生まれ

日大芸術学部写真学科卒

 

 

Comment

矢野 信夫はカメラのレンズを通して世界の魅力的な見えを教えてくれます。とても几帳面でありながら偶然性も大切にするという二面性がある。彼は好奇心と高度な計算を両立した作家です。奥行きと平面の振れ幅に重点を置き、その特性を増感させる色を用いた構成はとても力強い。私は彼の作品の多様性(限られた作品の範囲の中で)だけでなく、様々な異なるイメージが結び付き、はっきりと定義されている彼自身の芸術観に感銘を受けました。一連の作品の中には際立って目立つ作品もありますが、それも含めてひとつのポートフォリオとしてとてもうまく成り立っています。今回彼がこのような強力な作品を見せてくれたことを祝福し、彼の将来に大いに期待したいと思います。

 

サイモン・ベーカー (テート・モダン フォトグラフィー国際美術部門キュレーター)

長谷川 珠実

 

-dystopia-

 

 

Concept

日常の何気ない景色が、よじれて頭にこびりついた時、私はそれを誰にも譲りたくないと思った。

 

 

Profile

1991年群馬県生まれ

2014年専修大学文学部卒業

 

 

Comment

彼女の感性と世界に対するアプローチがもたらした非常に多様な振幅を持った写真に面白みを感じました。彼女の一連の作品は私を喜びと辛辣さ、親密さとよそよそしさのあいだをすいすいと行き来するような不思議な旅に連れて行ってくれました。

 

シャーロット・コットン (キュレーター)

藤原 聡志

 

-Code Unknown-

 

 

Concept

昔からカメラを手にする者にとって肖像権、プライバシー権はある厄介な問題である。
私の敬愛するMichael Haneke監督の映画''Code Unknown''の中で主人公の恋人であるカメラマンが電車内で前に座った乗客を隠し撮りするシーンがある。私はこの彼と同様の方法でベルリンの電車内で人々の顔を撮影した。無論、現実社会では正面から人々の顔を捉えた写真を公共の場に晒すことは出来ない。そこで私はそれぞれの''モデル''が個人を特定出来ないギリギリのラインを狙い撮影、編集を行った。窓から差し込む直射日光による影の効果、そしてデジタル画像処理等により肖像権という問題をクリアした。更に彼らが身に付けている衣服をトリミングにより画面から排除し、人々の特定性、個人性を消そうと試みた。
当シリーズはMichael Haneke監督へのオマージュでもある。

 

Profile

1984年  兵庫県生まれ 

2007年  大阪芸術大学芸術学部卒

 

Solo Exhibition

2015年 ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE | GINZA

 

Group Exhibition

2014年 「Wi(e)dersehen」L‘espace de L‘espace, Kunstfabrik HB55(ベルリン)

 

Collaboration

2015年 ISSEY MIYAKE MEN 2015 A/W

 

Comment

藤原 聡志の今作において最も注目すべき点は、彼のポートレートが痛みに満ちドラマティックで繊細であること、とはいえ日々の通勤の不快感が実際に静止画として立ち現れていることです。フルクローズアップされた乗客たちの顔は彼らをグロテスクで怪物のようにもに思わせます。どの乗客のポートレイトも彼らに許可無く撮られたものではありますが、だからこそ彼らの無自覚な表情を捉えることができたのでしょう。これは作家の注意深い目の賜物でもあります。にもかかわらず、見る側は作品を一見したところでポートレイトの被写体になった人物と作家との関係性を探ろうとしてしまいます。私には見る者が自身との類似性を感じているのではないかと言わざるを得ません。関係性を探ることは、「自分はこうではない」という完全なる非理想と正常な気持ちの表れであるからです。しかしながら作家の“裏切りの視線”から隠れることはどんなことをしても不可能でしょう。

 

ステラ・スッチ(ムースマガジン ウェブ&フォトエディター)